家庭教師の熊大サークルホーム 高校生用メニュー 大学入試の心得と勉強のやり方

まずは大まかな受験計画をたてよう

受験計画はすべての出発点

受験計画を立てずに、いきなり参考書を買ってきて読んだり、適当に問題集を解くことは、羅針盤や航海地図を持たずに海に出るようなものです。そんな無謀なことはありません。目標と計画がない受験勉強では、試験の合格はおぼつきません。ダイエットでもスポーツでも、かならず最初に、目指すべき的を決めるものです。最終地点を見定めてこそ、「目標地点まで、最短距離で、いかにして効率よく到着するか」という考えが出てきます。最終目標が決まらなければ、そのような発想自体でてきません。もちろん、楽しむためのスポーツだったり、自己啓発や生涯学習の一環として勉強する場合など、とくに目標を定めないで気軽に取り組むことも あります。しかし、その場合でも、よく考えてみれば「楽しむこと」や「体力をつける」ためだったり、「仲間と触れ合う」ためだったり、「学ぶこと」自体が目標となっているはずです。人は目標を定めないと、パワーが出てこない動物。まずは最終目標を明確にしてこそ、そこまでの最短の道筋や進み方、スピードなどを順次、決定していくことができるのです。受験計画を細かく立てることは勉強方法の出発点ですが、その前に最終目標、つまり九大・熊大・鹿大といった第一志望校を決めたり、希望の資格試験を決定することこそが、すべての発想の出発点になります。

受験計画の立て方のポイントと注意点は?

さて九大・熊大を受けるとか、弁護士や司法書士、看護師になるといった最終目標が決定しました。その次は、”いかにしてそれを達成するか”を考えていきます。そのための、もっとも効率的な作戦を練るのです。自分の頭の中だけの作戦会議です。受験計画を立てるさいのポイントは、以下のようになります。

・目標達成に適した内容にする
・概要をまず決め、徐々に絞っていく
・最後に、毎日のノルマを決定する

学習計画を立てるさいに、もっとも注意すべきことがあります。それは「詰め込みすぎない」ということ。目標を決めると、どうしても気持ちが大きくなって、「自分ができること以上のこと」を計画に盛り込みがちです。しかし、たいていは実行できずに挫折するものです。なぜでしょうか?人は、計画や指示を忠実に実行する「コンピューターや機械」ではないからです。感情をもった動物です。その点を考慮せずに、欲張ってしまい、ただ詰め込んでも失敗してしまう可能性が高いということです。 この危険を回避するには、余裕をもって受験計画を立てることに尽きます。食事でも「腹八分目」といいます。中学受験や高校受験、大学センター試験を突破するための計画も、欲張らずに、「腹八分目」の感覚で取り組んでみてはいかがでしょうか。満腹になると消化不良になりますし、内臓脂肪がたまって生活習慣病の原因になります。少し余裕をもたせて受験計画を立てることによって、ようやく「実際に自分がこなせる量」になるものです。 勉強を続けていると予想外のことに遭遇したりします。面白そうなテレビ番組があったり、誰かが訪問してきたり、家族が病気になったり、自分が風邪をひいたり・・・。そういったときに、分単位でノルマを設定していると、身動きが取れなくなります。いったん計画が破たんすると、堤防が決壊したようになり、そのあと自暴自棄になって、勉強へのやる気が失せてしまう危険があります。また最初に目標を決めた時点では気持ちが大きくなっているので、ノルマを詰め込みがちですが、人間、そんな にいつまでもモチベーションを維持できないところがあります。ですからモチベーションが落ちたときのことも考慮して、余裕をもたせた受験計画を立てていくことが大切になってくるのです。

目標達成に適した内容にする

さて効率のよい受験計画の立て方ですが、当然、最終目標から外れないものであることが大前提です。たとえば、陸上の大会で上位入賞しようと目標を立てた人の場合を考えてみます。そのための練習計画は、「走る」ということに特化したものでなければなりません。バーベルを上げるウェイトトレーニングばかりだったり、水泳をしてスタミナ養成をしてばかりで、まったく走るトレーニングをしないとしたら、目標からズレていることになります。これは分かりやすくするための極端な例ですが、受験における勉強方法では起こりがちな点です。注意しなければなりません。 このような決定的なミスを犯さないためには、目標を立てたあとに、できるだけ早い時点で合格体験記を読んだり、すでに試験に合格した先輩の話を聴くことが有効です。そのまま自分に当てはまるとは限りませんが、参考にはなるはずです。また、そうしたプラスイメージは、その後のモチベーションの維持に役立つものです。さて、中学生でも高校生でも、第一志望校を決めたら、その試験に出る科目を中心に勉強することが大事です。出題されない教科は当然、勉強しなくていいわけです。また難関校や、難関の資格試験であるほど、勉強時間を増やす必要があります。それほど偏差値の高くない高校や大学なら、そんなに根を詰めて学習する必要はないということです。そのほか、高校や大学独自の出題傾向というものがあります。ですから赤本などの過去問(過去の問題集)を使って、第一志望校の「傾向と対策」を把握するように努める必要があります。日々の勉強内容は、それに沿ったものでなければなりません。先ほどの例でいえば、陸上で好成績を収めたいなら、水中ではなく「陸上を走ること」を中心にトレーニングすべき、ということですね。 過去の問題にすべてのヒントがあるのですから、過去問の研究を日々のノルマに組み入れる必要があります。ただし中1とか高1の段階から過去問を解くのは早すぎるので、どの教科が入試では必須なのか、くらいは把握しておきましょう。最初のころは教科書を中心に、基本を反復して徹底的に身につけることに全力をそそぎます。そのようにして基礎学力がついてきたら、徐々に過去問にも挑戦していくことが大切です。

概要をまず決め、徐々に絞っていく

有名国立大学に合格するとか、有名私立大学に入学するといった目標設定をした時点では、いってみれば「大雑把なイメージ」しかありません。そのとき脳裏に、日ごろ行うべきノルマが、細かい点まで思い浮かぶ人はまずいないでしょう。受験計画は、まずは大きなところから入り、徐々に狭めていくことによって、最終的に毎日のノルマの決定にまでたどり着きます。この流れは会社の事業計画でもそうですし、オリンピックをめざすスポーツでもそうでしょう。事業計画では会社の方針とかスローガンをまず立て、そのあとにマーケティング目標とか、上半期・下半期の目標というように絞っていきます。スポーツでも、オリンピックで金メダルを取ると決めたら、何秒台という目標を決めます。今年中に何秒台になると決め、次に上半期・下半期、1か月後は、それぞれ何秒台というように目標を細かく設定していきます。高校入試や大学入試における受験計画でも同様です。また医師や地方・国家公務員試験、ファイナンシャルプランナー、一級建築士、不動産鑑定士などの資格取得を目指している人でも同様です。まずは1年単位で目標を決め、そのあと上 半期や下半期といった半年ごとの目標を立てます。その後は3か月後、1か月後の目標設定に進みます。また夏休みや冬休み、春休み、ゴールデンウィーク、年末年始などの長期休暇での目標設定も効果的です。「効率的な勉強の順序」でも述べていますが、人の脳は「概要から詳細」へという流れが自然です。 勉強方法自体も、まずは大きくとらえてイメージ化することが最初の課題です。そのあとに細かいことを覚えたり、暗記事項をもってくるわけです。受験計画の立て方も、これと一緒です。概要から詳細へという流れは、人間の脳にとって自然な流れなのですから、この方法で計画を練っていくことが、もっともストレスがかからない、効率的な計画の立て方になるです。なお計画を立てるさいは、受験計画表をエクセルや手書きでつくるなどして、「見える化」すると効果的です。1年を12等分し、そこにスケジュールをいろいろ書き込んでいくのです。こうすることでアナログ時計のように、「だいたい今、どのへんにいるのか」が一目でわかるようになります。色分けするのも有効でしょう。高校受験や大学受験、高専、院試などなど、あらゆる受験に 有効です。箇条書きにするだけではなく、グラフにすることでモチベーションも上がります。右脳を活用したスケジュールにできるのです。過ぎ去った部分は色で塗っていくと、あとどれだけの時間が残されているのかも、すぐにわかります。また1か月単位や1日単位でもグラフにすると、計画を立てやすくなります。1か月単位の場合は、カレンダーを利用しましょう。

毎日のノルマを決定する

まずは大きな目標設定を行い、次に1年単位の目標、そして上半期・下半期あるいは3か月、1か月単位の目標と少しずつ絞ってきて、最終的には1日のノルマにまで、ようやくたどり着きます。1日単位でグラフを作成して「見える化」をする場合は、24個の等間隔のマス目をつくります。まずは絶対に欠かせない睡眠時間から塗りつぶし、その次に食事時間や入浴なども塗りつぶしていきます。そのように「生きていくうえで絶対に欠かせない部分」を塗りつぶして、最後に空いた箇所、残ったマス目が勉強できる時間帯になります。なお前述したように、多くの時間があるからといって、無理して詰め込まないように注意します。3時間空きがあっても、1時間半から2時間くらいの勉強にしておく、といった感じですね。人間は、たくさん時間があるから集中できるというわけではありません。かえって集中力が低下して、だらだらとしてしまうものです。制限時間があったほうが集中力を発揮できるのが、脳の特性です。ですから1日7時間使えたとしても、3時間くらいに絞ると、とても質の高い受験勉強が可能になります。 もちろん勉強時間に関しては、先ほど述べたように、目指すべき最終目標に見合ったものにすべきです。 東大を目指す場合、1日3時間では少ないことがほとんどなので、その場合は学習時間を増やします。ただその場合も7時間使えるとしたら、勉強は6時間までにしておいて、しかも3時間ずつに分けたり、休憩をはさみつつ1時間を5セット行うという方法のほうが集中力を維持できます。このようにして1日のノルマが割り出されました。あとは実行あるのみです。 毎日の習慣化が、勉強のモチベーション維持につながっていきます。なお、たまには計画倒れとなる日があるかもしれません。そういったときは気持ちを切り替え、柔軟に対応していきましょう。また当初たてた計画が、本当に自分に見合ったものとも限りません。毎日、受験計画通りに勉強をこなしていくなかで、「なんか辛いな」とか「詰め込みすぎたな」「方向性を誤ったな」ということに気づいたら、思い切って計画変更をしていくことも重要です。受験計画の立て方においては、最初の計画を貫くことも大切ですが、臨機応変に、思い切って軌道修正 をしていくことも、ときには必要となります。

勉強の習慣化を目指そう!

勉強を習慣にすると自動化でき、楽になる

勉強を習慣にすることは、効率的な勉強方法を行う上では欠かせません。学習を習慣化できれば、毎日の受験勉強が非常に楽になります。頭で考えなくても、体が勝手に動くとでもいうのでしょうか。ときには勉強のやる気やモチベーションがわかなかったり、体調がすぐれないことがあるものです。悩みごとや、他に興味のあることが出てくることもあるでしょう。しかし習慣になっていれば、不調なら不調のまま、モチベーションが低いなら低いままに、机に向かうことができます。そして調子が悪くても、何とか学習を続けているうちに、だんだんエンジンがかかってくるようになります。習慣とは、試験の合格という目的地にむかってレールを敷くことです。多少調子の悪いときにエンジンがきれても、とりあえずは慣性で目的地に進んでいくことができます。家事や育児が日課になっている主婦は、とくに苦もなくノルマをこなしているはずです。またサラリーマンでも毎日通勤しているうちに、それが習慣になるので、それほど苦にならなくなります。小学生や中学生、高校生の通学でも同様です。逆に週2回の学習 塾や予備校になると、毎日のノルマではないぶん習慣化しづらいため、いつまでたっても辛く感じる、ということがあります。このように知らずうちに「習慣の力」を活用して、人は毎日の生活を上手に送っています。ただ試験勉強や家庭学習となると、急に習慣がなくなってしまいがちです。勉強が嫌いだったり苦手だったりすると、どうしても教科書や受験参考書から遠ざかり、勉強するのは試験やテストの前だけ、ということに・・・。それでは、いつまでも習慣にならないため、「勉強が辛いまま」です。高校受験や大学センター試験を目指す試験勉強においては、毎日の習慣にしてしまえば、それほど苦にならずに進めていけるものです。いつまでたっても勉強を習慣化できない理由は、やったりやらなかったりと「むら」があるからです。 昨日は6時間勉強に集中したけれど、今日は1日中遊んでばかり、翌日は1時間だけの勉強・・・このような生活スタイルでは、いつまでたっても習慣になることはありません。習慣は、毎日、同じ時間に同じことを実行することによって形作られます。ですから勉強を習慣にした いなら、毎日同じようなスケジュールを組んで、淡々と学習していくことがポイントになります。

習慣とは潜在意識の力を借りること

勉強を習慣にするためには、意識の力ではなく潜在意識の力を利用することがポイントになります。やったりやらなかったりと、毎日のノルマになっていない場合は、その都度、頭で「やらなきゃ」と自分を奮い立たせなければなりません。これは意識、つまり顕在意識の力を使っている状態。これでは義務感ばかりで、ストレスを感じてしまうことになります。その反対に潜在意識の力を利用して勉強を習慣化できれば、意識の力をさほど必要としなくなります。まったく不要というのではなく、それほど辛い思いをしなくて済むのです。体が勝手に動くからです。 身近な例でいうと、自転車の乗り方を覚えることも潜在意識の力によります。脳科学では、手続き記憶(方法記憶)といいます。一度乗り方を覚えてしまったら、とくに足や手の動かし方やバランスに「意識」を向けなくても、潜在意識が勝手に調整してくれます。顕在意識は大脳の表面にあり、進化の過程で比較的新しい部分が担当しています。大脳新皮質と言われる部分で、そのうち「前頭葉、側頭葉、頭頂葉」のそれぞれにある連合野に当たります。とくに 思考の座といわれる前頭連合野は、物事の判断や思考、記憶などに関係しています。ですから脳の前面にある前頭葉こそが、顕在意識といってもよいでしょう。それにたいして潜在意識は大脳の奥深くに存在し、進化の過程で初期に形成される部分です。ここは動物脳といわれ、大脳辺縁系ともいいます。これには、記憶を担当する「海馬」、感情や本能を司る「扁桃体」などがあります。また、運動に関係している「大脳基底核」も潜在意識にかかわっています。つまり勉強の習慣化とは、脳の表面の力ではなく、脳の奥深くにある「大脳辺縁系の力」を借りることにほかなりません。顕在意識は脳の表面にありますが、潜在意識は文字通り、脳の奥深くに潜在しています。何度も繰り返すことによって、はじめは意識を必要としていたものが、だんだん無意識化していきます。

習慣化するコツは最初の1か月

勉強を習慣にするためには、最初のうちだけ意識の力を必要とします。初めは、どうしても意識的に努力しなければならないのです。ただ、その期間は脳科学によると、だいたい1か月といわれています。つまり最初の1か月間は、どんなに辛くても、毎日続ける必要があるということです。でも、その1か月を乗り切れば、あとは潜在意識にバトンタッチできるので随分と楽になります。そのときは脳内に、太い神経回路が形成されるのです。つまり電気信号が流れやすくなり、神経伝達物質が移動しやすい状態になります。これが習慣化です。酒(アルコール)ばかりを飲んでいる人は、そのための太い神経回路が脳内にできているので、なかなかやめられません。タバコや過食もそうです。太い神経回路に電気が流れなくなると、どうしてもウズウズしてきて落ち着かなくなり、該当の行動を取ってしまうのです。ですから有効な対策法としては、1か月間だけ我慢すればいいのです。そうすればスムーズにやめられます。このような習慣化の力は、どうせなら試験勉強など、有意義なことに活用したいものです。 「1か月たてば習慣化でき、そのあとの行動が楽になる」とあらかじめ分かっていれば、その1か月間は辛抱できるのではないでしょうか?もしそうした知識がなければ、そもそも1か月がんばろうとも思わないはずです。勉強を習慣にして全自動化するには、最初の1か月は、いつも同じ時間帯に、同じ教科の学習をすることがポイントです。毎日、勉強していても、時間帯にばらつきがあったり、科目がその都度違っていては習慣化の形成が遅れてしまいます。夜の9時から歴史を勉強すると決めたら、どんなに観たい番組があっても歴史の勉強をすることです。観たいテレビは録画しておいて、あとから観ればいいのです。これが習慣になれば、夜の9時が近づくにつれて、無意識のうちに心身が勉強の準備をはじめます。そして9時になるころには、しぜんと集中力や脳の回転がマックスになります。もしも9時に歴史の勉強をすっぽかすと、なんだか落ち着かなくなったりします。ジョギングを習慣にしている人が、1日でも休む日があると落ち着かなくなることと一緒です。以上のような習慣化の力をつかえば、 目的地に向かって、しっかりとしたレールを敷けるので、途中で脇道にそれたり脱落するという危険がグンと減ります。ただし、いくら習慣化できたといっても、行動が楽になるというだけで、毎回、多少の意識の力や努力は必要となることを忘れないようにしましょう。

勉強のやる気を出してみよう!

勉強のやる気はエンジンの始動

勉強のやる気を出す方法について、とても効果的なやり方を解説していきます。どうしても、やる気が起きないという人は多いものです。 学習のモチベーションは、車でいえば「エンジンが掛かっている状態」に当たります。エンジンを始動しなければ、いくら栄養や睡眠、息抜きといった「ガソリン」を充填しても、また予備校や進学塾、素晴らしい受験参考書といった「きれいな舗装道路」(整った環境)があっても、「ドライブ」(勉強という行動)はできません。勉強がつまらない、嫌いだという人は、エンジンをかけないでアクセルばかりを踏んでいるようなものです。それでは、思ったように前進するはずがありません。逆に「やる気というエンジン」を常に掛けることさえできれば、多少体調がすぐれないときであって、また独学であっても、集中力や記憶力を発揮して、効率のよい勉強ができます。これは仕事や育児、介護、芸事、スポーツなどでもいっしょです。しかも勉強のやる気を自在に出すことができれば、毎日の学習が楽しくなりますし、中学や高校、大学受験につきもののストレスを 軽減してくれます。モチベーションがわかないのに、「やらなければならない」という”義務感”だけで仕方なしに勉強していると、ストレスがたまります。エンジンをかけないで、車を後ろから一生懸命に押しているようなものです。そうなると勉強効率がグンと下がるので、いくらやっても先へ進まない、理解できない、覚えられないということに。それでは模試や学校のテストでも結果が出ず、偏差値も上がらず、悪循環に陥ってしまいます。勉強のやる気さえ出すことができれば、あとは優れた受験参考書やテキスト、教科書を見つけるだけです。そのうえで計画どおりに淡々と勉強を積み重ねていけば、時間がたつほどに自然と知識が増え、実力がつき、気づいたときには目標とする第一志望校や資格試験に合格するだけの力がついているものです。

勉強のやる気を出す秘訣はこれ!〜まずは行動する

さて本題の「勉強のやる気を出す方法」ですが、まとめると以下のようになります。

・やる気が出ないときでも、とりあえず開始する
・得意科目から始める
・復習を重視する
・勉強場所を変えてみる
・勉強グッズにもこだわってみる

勉強のやる気を出す方法として、もっとも有効なのが、「おもむろに」勉強を開始してしまうというやり方です。これには脳科学的な理由があります。人間の脳の奥深くにある大脳辺縁系には、側坐核(そくざかく)という、リンゴの種くらいの大きさの部位があります。ここは「やる気の発生装置」といわれており、このスイッチを入れることによって、勉強のモチベーションをわかせていくことが可能です。それでは、どうしたら、そのスイッチを入れられるのか?・・・まさか脳を開くわけにもいかないので、別の方法でなければなりません。その方法こそ、冒頭で述べた「実際に行動を開始してみる」ということです。「え?勉強の行動を起こせなくて悩んでいるのに、行動するの?」と思われるかもしれません。しかし、別に1時間とか2時間も勉強しなければ、やる気が出ないというのではありません。最初だけ頑張って行動を起こせばよいのです。そうすれば、初めはまったくやる気がない状態であっても、数分〜数十分後には、やる気の発生装置である側坐核のスイッチが入り、面白いように勉強がは かどってきます。気分が高揚してきて乗ってくるわけです。これを心理学では作業興奮と呼んでいます。初めは乗り気でなかったとしても、とりあえず作業を続けているうちに気分が高揚してきて、気づいたらのめり込んでいたという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。側坐核というスイッチの存在を知らない人は、そもそも行動を起こそうとしないので、いつまでたっても悩み続けることになります。その結果、やる気がでる名言とか格言、言葉、画像、動画、壁紙、イラスト、映画などをネット上で探し求めるわけです。しかし、側坐核の存在を知ってからは、そのようなことはなくなるはずです。やる気のスイッチは自分の脳の中に備わっているのですから、インターネットでやる気の出る音楽や曲、BGM、歌、本、2chなどの掲示板(スレ)、アニメ、アプリ、ソフト、コピペを探す必要は、もうないわけです。側坐核は「やる気を起こすエンジンの本体」です。ただし、脳に存在するだけでは意味がありません。それでは宝の持ち腐れです。車ではエンジンを始動するきっかけは、スイッチやキーで すが、勉強のやる気を出すきっかけは、ほんの少しの行動です。やる気のスイッチを入れるために、まずは行動を開始しましょう。

準備運動を始めてからという方法も

勉強のやる気を出す方法として、準備運動をしてから学習を開始するというテクニックもあります。 これはモチベーションを高める勉強方法として、とても有効なやり方です。それほどの勉強嫌いではないけれど、かといって、いきなり勉強を始めるのには抵抗がある、という人にオススメの勉強法です。たとえば勉強をいきなり始めるのではなく、まずは部屋の整理をしてみる、ラジオ体操をする、ストレッチをする、深呼吸を何回かしてみる、リラックスできるクラシック音楽を聴いてみる、などなど。あるいは簡単な計算を解いたり、速読訓練や速聴のトレーニングをしたり、脳トレのアプリをしてみたりと、脳にエンジンをかけてみるのもいいかもしれません。勉強前の準備運動は、何でもよいのです。要は、その行動をしてから勉強に入る、ということを決めればよいのです。これが習慣化すれば、最初の準備運動が「条件反射」となり、無理なく学習に入っていけるようになります。ストレッチや有酸素運動、体操といった「運動」をすると、大脳辺縁系にある海馬が活性化します。海馬は記憶の管制塔 であり、記憶力アップの要(かなめ)です。運動をすると海馬からシータ波(θ波)が発生して、記憶力がアップすることがわかっています。ですから、どうせ準備運動を行うのなら、音楽を聴いたりゲームをするよりも、体を軽く動かすほうがよいかもしれません。いずれにしても、いきなり勉強から入ろうとすると緊張してしまいますが、「とっかかりやすいもの」なら簡単に実践できます。その行動をとったあとに必ず勉強する習慣をつければ、それが条件反射になってスムーズに学習に入っていけるようになります。

得意科目から始める

できるだけ勉強のストレスを少なくしたいのであれば、得意科目から開始すると効果的です。これによって勉強の敷居が、さらに低くなります。これなら、いきなり苦手科目から始めるよりは、ずっと実行しやすいはずです。勉強のやる気を出す方法としては、段差が少ないぶん、理にかなっているといえます。だんだん気分が乗ってきたら、苦手科目にも挑戦すればよいのです。この考えは模擬試験や中間・期末テスト、本番の試験でも当てはまります。 問題の一番はじめから律儀に解いていると、難しい設問のところで止まってしまいます。それよりは、まずは全体を見渡し、簡単そうなところから解いていくべきです。そうしているうちに脳にエンジンがかかってきます。しかも「解ける箇所」はすべて終わっているわけですから、心に余裕が生まれ、じっくりと難問に取り組めます。難しいものからとか苦手教科から勉強することを勧めているとしたら、それは間違った考え方なのです。さて普段の勉強において、得意科目から開始して、やる気の発生装置である側坐核のスイッチを入れたとしても、苦手科 目のやる気には結びつかないこともあります。その場合は再度、やる気のスイッチを入れる必要があります。「やる気のスイッチは2度入れる」というわけです。 得意科目、好きな教科を勉強していれば、気分が乗ってくるので、苦手科目のやる気のスイッチも入れやすいのではないでしょうか?人間には苦手なもの、大変なものから逃げたいという心があるので、得意科目を勉強しているだけでは、しぜんと苦手科目も勉強しようとはならないものです。そこで、やる気のスイッチを再度入れるために、苦手科目の勉強を「おもむろに始める」ことが大切です。なお得意教科を学習したら、そのあとに、かならず苦手教科を学習するように習慣化すれば、前述したように得意科目の勉強が条件反射となり、自然と苦手科目の勉強に入っていけるようになります。

モチベーションアップ法は、まだまだある

そのほか勉強のやる気が出ないという人は、予習や先に進むことばかりに意識が向いて、今まで学んだ内容の復習が足りていないことが原因かもしれません。人は一度学んだだけでは覚えきれないので、長期記憶化したり理解を深めるには、何度も反復して繰り返す必要があります。そうすれば土台がしっかりしてくるので、新しいことを学んでも理解しやすくなり、覚えやすくなります。勉強は基礎からの積み上げだからです。このような積み重ねによって「勉強がわかる」ようになると、面白みが出てきます。すると脳内にドーパミンが分泌されて、また同じ行動をとりたくなります。しかし復習をおろそかにしている人は、どんどん忘れていってしまうので、勉強がつまらなくなります。先に進むことも大切ですが、1日のノルマのなかに「復習する時間」を設けてみることも重要なことです。勉強場所を、たまには変えてみることも、学習のやる気に好影響をあたえます。いつも同じ勉強部屋だとマンネリ化してくることがあります。たまには図書館や喫茶店、自習室、ファミレスなどで勉強すると、新鮮さが 加わり、海馬がよろこびます。海馬は場所を変えたり、移動することによってシータ波を発生させ、記憶力や集中力がアップするからです。車で知らない土地に移動して、車のなかで勉強したり読書するのも面白いかもしれません。なお移動場所は、外出しなくても作り出せます。たとえば、いつも自分の勉強部屋で学習しているのなら、たまには家のリビングやキッチン、洋間、和室で勉強してみる。あるいは自宅で、どこか隅っこの「自分だけの場所」を発見し、そこで勉強してみる、などです。勉強グッズを自分好みのものにすることも、勉強のやる気アップに役立ちます。 筆箱やシャーペン、ボールペン、キャップ、消しゴム、定規、蛍光ペン、ノート、下敷き、カバンなどなど、お気に入りのものにすることで、勉強のモチベーションがアップします。 以上述べてきたことを総合して実践していけば、勉強のやる気が起きないということは、なくなるはずです。

勉強に集中する方法とは...

勉強に集中するには興味を持つこと、リラックスすること

ここでは、勉強に集中する方法を解説していきます。これらのやり方を知ることにより、勉強に集中できないということは、なくなります。人間は自分が興味を持っていることに対しては、無意識のうちに集中できるようになっています。これをカクテルパーティ効果といいます。しゃれた名前ですが、カクテルパーティのように、ざわついている場所でも恋人が耳のそばでささやくと、ほかの雑音が耳に入らなくなり、相手の声だけを聴き取れるようになります。ささやき声にもかかわらず、です。これを選択的注意といいます。これは聴覚だけではなく、視覚や触覚、味覚、嗅覚でも同様。人は特定の事柄(決めたポイント)に対して意識を絞り、集中力を発揮できる能力を、誰もが持っているわけです。ただ、それは自分が興味を感じることに限られます。中学・高校受験、大学入試試験のための学習は、それ自体、面白いものではないことがあります。人は、つまらない対象に対しては集中力を持続できず、どうしても気が散ってしまうものです。ですから勉強に集中するための、もっとも効果的な方法は、好 きな教科を作り、それを増やしていくことに尽きます。少しずつ苦手教科を得意教科に変えていくことです。そうすれば好きなことに没頭することになるので、カクテルパーティ効果により、しぜんと周りの雑音や誘惑がカットされ、とくにテクニックをつかわなくても集中できるようになります。また人は、自分が好きなことや興味のあることに没頭していく「直前」には、副交感神経が優位になり、心身ともにリラックスしているものです。このときは脳波がアルファ波になっています。ですから逆に考えれば、リラックスして気分を落ち着かせることによって、アルファ波が出てきて、勉強に集中できる準備が整います。たとえば勉強を開始する前に、何回か大きく深呼吸や腹式呼吸をすると、気分がゆったりとしてきます。 息を吐くときには副交感神経が優位になるからです。ちなみに試験のときに緊張していると、呼吸が浅くなってきます。「呼吸が浅い」ということは、吸ってばかりで吐く息が弱いことを意味しています。ですから緊張しているときは、つとめて長く、強く吐くようにすれば、副交感神経 に切り替わってリラックスできます。学習前にリラックスできれば、その後の勉強に集中できるようになるわけですから、リラックス法は何でもいいのです。大好きなチョコレートをちょっとつまんでもいいですし、リラックスできるクラシック音楽(モーツァルトなど)を聴いたり、アロマの香りを嗅いだり、ストレッチや有酸素運動など、いろいろありますね。ただしゲームや映画、あるいは好きな漫画など、へたすると長時間のめり込んでしまい、勉強時間がなくなる危険があるものは避けたほうが無難です。気づいたら漫画を全巻読んでいたというのでは、リラックスできても意味がありません。長くても15分程度で切り上げられるものを選ぶことが、勉強方法のコツです。ちなみに、「気づいたら没頭していたという精神状態」は、まさに没我であり、集中力の模範です。その集中力を、そのまま勉強に発揮できればいいわけです。このように、集中できる能力は誰でも、もともと備えていることがわかります。

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