熊本の高校入試は全国的に低得点トップ5に入る
上記の表をご覧下さい。各県の公立高校入試の過去2年間の教科別の公表平均点を低得点、高得点別にランキングしたものです。県によって難易度は大きく異なり、各教科とも30点近くの開きがあります。特に熊本は、社会と国語が全国的に見て平均以下で数値をご覧になって頂けるとわかるかと思います。入試の際は、他県の問題も参考にして解いてみるのも良いと考えられます。
(県によって満点が異なるため、全県100点満点に換算しています。)
(県によって満点が異なるため、全県100点満点に換算しています。)
後期(一般)入試は年々難しくなっている
上記の表をご覧になって頂けますとわかりますように、公立高校入試(後期(一般)選抜)は2017年と2021年を比較しますと約10点程平均点が下がっています。2021年の教科書改訂に伴い入試レベルが一段と上がった年でもあります。いかに熊本の公立高校入試が年々難化しているかがおわかりになれるかと思います。
教科書はどう変わった?各教科のポイント
2022年度の入試では新出内容の出題有無に注目が集まりましたが、結果的に、新出内容を全く出題しなかったのは全国で3県のみ。特に英語の「原形不定詞」は英文中で設問に絡めず扱うことができたこともあり、7割近い県の入試で見られました。その他、理科の「ダニエル電池」や中2のときに移行措置対応での学習となった数学の「四分位範囲と箱ひげ図」も多くの県で出題されるようになりました。特に「ダニエル電池」は2023年熊本の公立入試にも出題され、避けては通れない問題でもあります。そのため新出内容の分野については、過去問で触れる機会が少ないことから正答率が低くなる傾向があるため、入試仕様の問題を経験するという意味でも、他県の入試も積極的に活用してみることもお勧めします。
SDGsと時事問題
2021年度から使用開始となった新教科書で随所に見られるのが"SDGs"。定義となった環境問題やフードロスだけでなく、地方創生や節水、まちづくり、技術革新などもSDGs関連の話題として公立高校入試では取り上げられています。特に注目したいのは、やはり社会。社会では、近年、グラフや図などの資料をもとに課題解決の方法を考えさせる問題を出題する県が増えてきています。そこで題材になるのがSDGs。社会の問題で取り上げらられた話題が、国語や英語の文章題のテーマに直結する場合があるので、積極的に目を通しておいた方がいいでしょう。この数年で一気に増えたのが"情報化社会"関連の問題。オンライン授業への賛否が英作文に問われたり、メディアリテラシーについての作文が出題されたりと、大きく様変わりしています。最近の話題としては「成人年齢引き下げ」や衆議院選挙で比例代表において、政党議席配分する時に用いられる「ドント方式」の計算配分が過去に出題されましたが、旬な話題だけでなく、意見作文まで発展することも考えられるため注意が必要です。